Written by R Asai

■ 四川省の高山と花の旅 20190628.〜0705


 6月28日から7月5日まで、中国の四川省を旅してきました。

●四川省の高山


四川省は、全体が盆地になっていて、主にチベット族が暮らす西の方には、特に高い山が連なっています。

四川省の省都・成都の北西130kmほどのところに、四姑娘山(スークーニャン山)があります。白いスカーフを被った美しい4人の娘と言われるこの山は、右から「一姑娘」「二姑娘」「三姑娘」、一番高いのが「四姑娘」で、標高は6250mです。


日隆鎮の展望台から見る四姑娘山 ( 7月1日早朝 )



四姑娘山から南西に200kmほどのところにあるのが標高7556mのミニヤコンカ山(中国名は貢嗄山)です。チベットの言葉の「ミニヤ国の白い山」という意味で、「ミニヤ国」は、この地域をいうようです。


新都橋から見たミニヤコンカ ( 7月1日夕方 )


現地のガイドさんの話によると、どちらの山も雲や霧に包まれて、なかなかその姿を見ることができないそうですが、今回は、早朝や夕方の短い晴れ間に見ることができました。



●高山の花


この山を見るために、標高4000m以上の峠を何度も越えました。途中で景色や花が美しい場所に来たら、バスを停めてもらって、花を見たり、写真を撮ったりを楽しみました。

  また、風景区として整備された場所も多くありましたので、木道を歩きながら花を探すこともありました。氷河から吹き降りてくる冷たい空気、霧の隙間から見える木立など、6〜8月は、自然が美しい季節です。

今回の旅も、カメラの担当は夫です。私は見て楽しむだけなのですが、花が小さくて草丈も低いため、姿勢を低くして見た後に立ち上がると、一瞬クラッとします。空気が薄いのです。ゆっくり立ち上がり、深く呼吸をするように注意しながらの観光が続きました。

 ブルーポピーのように、名前がすぐに分かる花もありますが、名前がわからないままの花もあります。







●丹巴(タンパ)

「中国で最も美しい村」といわれる丹巴は、四姑娘山からミニヤコンカ山に向かう途中の山あいにあり、標高は2000mくらい。見下ろす深い谷には、激流の大渡河が流れています。住んでいるのは、主にギャロン・チベット族です。
村には、石造りの高い塔を持つ家が多くみられます。この塔は、見張り台として、敵から家を守るものということでした。


 

 丹巴の家と塔

 
丹巴は、村のたたずまいも美しいのですが、女性たちに美人が多いようで、鼻筋が通り、目が大きく、色白です。丹巴の近くには「美人谷」と呼ばれるところもあると聞きました。
そして何より、女性たちの民族衣装が素晴らしい。この辺りの女性たちは、店番をしながら、おしゃべりをしながら、常に手を動かして、さまざまな刺繍をしていました。頭に被っている布も自分で刺繍したもののようです。

 
  丹巴 ギャロン・チベット族の女性の被り物 

 
 丹巴 ギャロン・チベット族の女性の被り物 


 


●チベット仏教


丹巴から康定に向かって行くと、チベット仏教のお寺をよく見かけるようになりました。山の斜面には、タルチョが見られます。祈りの言葉が書かれた赤、白、青、黄、緑の5色の布が風にはためくと、お祈りの言葉が届くとされています。また、山からの流れを利用した水車で回すマニ車もあります。マニ車の中にはお経が入っていて、回るたびにお経を読んだことになります。


(左)山の斜面にタルチョで作ったチベット仏教の仏塔(ストゥーパ)の形  (右)康定 ムガツォ風景区 水車で回るマニ車 



●康定(カンディン)

ミニヤコンカ山に近く、昔からチベットとの交易の拠点だった街です。街の真ん中を大渡河が流れています。標高は2800mくらい。
この町を有名にしているのは「康定情歌」という四川民歌で、中国の人は誰でも知っている歌だそうです。泊まったホテルの名前も「康定情歌大酒店」でした。



康定 山が迫り、大渡河が街の中を流れる               康定情歌大酒店のフロント