2017年3月7日〜12日の6日間で、福建省の泉州、厦門、コロンス島を回ってきました。「厦門」を私たちは「アモイ」と呼びますが、中国では「Xia Men」です。
今回の旅で一番楽しみにしていたのが、「客家」の土楼です。厦門から高速道路を走り、さらに一般道を山へと入っていくと、山の中に土楼が多く建てられている地区があります。バスで向かう途中でも、いくつかの土楼を見ることができました。
かつて、中国の中原地方で戦が多かったころに、戦から逃れて移り住んだ人たちを「客家」というそうです。その客家が、外敵や動物から身を守るために、建てたのが土楼で、土楼の入り口は1か所だけ、部屋はすべて内側に向けて造られています。
田螺坑土楼は、下から見ると、大きな建物の重なりにしか見えませんが、山の上から見下ろすと、四角形の土楼と円形の土楼が組み合わさって、まるで花のような姿をしています。
客家土楼、田螺坑楼
裕昌楼は、中に入って見学することができます。1308年に建てられた5階建てで、部屋数は269もあります。多い時には、1000人以上の人が暮らしたそうです。土楼の中心から見上げると、どうもちょっと土楼全体が傾いているようです。でも、洗濯物が下がり、人の暮らしを実感できました。ここは、宿泊することもできます。ただし、お風呂はなくて、トイレは、オマルとのことでした。
客家土楼、裕昌楼
厦門の港から船で渡るコロンス島は、かつて、外国の租界があり、華僑たちが住んだ島でもあります。島の中には、洋館が立ち並び、歩くとピアノの音が聞こえたといわれます。別名「ピアノの島」ともいうそうです。島の中は、坂道が多く、おしゃれなお店がならんでいて、エキゾチックな感じを受けます。横浜の元町のような雰囲気がありました。
厦門の夜景
コロンス島の風景 コロンス島から厦門を望む
厦門の南普陀寺
今回の旅の、もう1つの楽しみが「泉州」でした。海のシルクロードの起点の港として発展した泉州は、マルコポーロの「東方見聞録」で、「ザイトン」という名で紹介されています。この「ザイトン」は、木の名前で、中国では「刺桐(Ci Tong)」といいます。
花の時期には少し早かったようですが、運よく、真っ赤な花を見ることができました。ハイビスカスくらいの大きさで、南国らしい真っ赤な色です。街路樹いっぱいにこの花が咲いたらすごいだろうな・・・と思いました。マルコポーロも、この花に圧倒されて、泉州のことを「ザイトン」と言ったのかもしれません。
刺桐(ザイトン)
泉州は、近松門左衛門の「国姓爺合戦」のモデルとなった「鄭成功」が活躍した地のひとつです。お母さんは、長崎平戸の武士の娘で、明の終わりごろの英雄です。泉州の山の上にも、コロンス島の海辺にも、鄭成功の大きな像が建てられていました。残念ながら、雨のため、きれいな写真が撮れませんでしたが・・・。
泉州博物館の鄭成功像
泉州・開元寺
泉州の楽器店で、二胡の駒とCD付きの楽譜集を買うことができました。ちょっと変わった形の駒で、いつかこれで弾くのが楽しみです。
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